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バセドウ病について(47) 【参考資料】 TSH受容体に対する自己抗体の産生原因

以下は先日購入した専門書にあった、バセドウ病の原因についての記述です。

 

「甲状腺疾患と自己抗体検査」 

第2章 甲状腺疾患の診断と治療
 A 甲状腺機能亢進症とTRAb
 a バセドウ病のメカニズム

 ・・・ なぜTSH受容体に対する刺激型の自己抗体ができるかであるが、その原因としてT細胞機能の異常が推定されている。CD4+ヘルパーT細胞はその産生するサイトカインにより、主としてIFN-γを産生するTh1とIL-4を産生するTh2に分けられ、お互いに抑制的に作用している。Th1はIL-12の存在下に、Th2はIL-4の影響下にナイーブT細胞から分化するが、それぞれIL-23とIFN-γの影響を抑制的に受ける。さらにそれらを調整している調節性T細胞としてCD25+T細胞の中にTGFβ1、IL-17を産生するFoxp3陽性のTregと、IL-17を産生するRORγT陽性のTh17がある。これらの細胞に対してIFN-γとIL-6、IL-27などが影響する。従来からのTh1/Th2バランスのみで自己免疫疾患を分類できるわけではなく、Th17/Tregのバランスも免疫学的寛容を保つことで自己免疫疾患の発症を調節している。バセドウ病では調節性T細胞の異常により、Th2に偏移しているとされるが、Th1/Th2は疾患の推移とともに変化しうる。

 TSH受容体に対する刺激型の自己抗体 : TRAb
 IFN : インターフェロン
 IL  : インターロイキン
 Th  : ヘルパーT細胞
 Th1 : T helper 1 cell
 Th2 : T helper 2 cell
 Treg : 調節性T細胞 または 制御性T細胞
 Foxp3 : 調節性T細胞が発現する転写因子の一つ
 RORγT : 核内オーファン受容体の一つ
 
 

 

 村上正巳 編集 「甲状腺疾患と自己抗体検査」 P14 
 2010年8月4日初版 診断と治療社

上記文章のほとんどは、T細胞による免疫機構の一般的な解説であり、バセドウ病に関する記述は冒頭の一部と最後の一文だけでした。

発病の原因は、免疫細胞の異常やアンバランスだと考えられていますが、免疫システムが複雑で相互に影響しあっているためその解明は未だ困難なようです。

尚、この本は全70ページで2,940円(税込)と少し割高です。

また、内容も甲状腺疾患の検査とその評価を解説したもので、

病気の原因についての記述は以上の部分だけのようです。

甲状腺疾患と自己抗体検査

 

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 バセドウ病について(19) 花粉症との関係は・・・

 バセドウ病について(21) バセドウ病の増悪因子

 

バセドウ病について(21) バセドウ病の増悪因子

先日の記事 バセドウ病について(19) 花粉症との関係は・・・ に引用させていただいた網野先生について、バセドウ病と花粉症に関する論文が他にもないか調べていたら、

メディカルオンライン というサイトで、「自己免疫性甲状腺疾患の増悪因子」という論文を発見しました。

このサイトは会員制の有料ダウンロードサイトなのですが、登録をしてダウンロードしました。

以下はその論文の抜粋です。

『診断と治療』 Vol.93-No.7 2005(118) 1128-1133

実地医家,研修医の目線で見た甲状腺疾患の診療
持っておいた方がよい知識

自己免疫性甲状腺疾患の増悪因子

医療法人神甲会 隈病院学術顧問 網野信行 ,内科 窪田純久

[はじめに]
 自己免疫性甲状腺疾患にはバセドウ病と橋本病がある。明らかな臨床症状がなくても血液検査で甲状腺自己抗体が陽性を示す潜在性自己免疫性甲状腺炎は、成人女性の10人に一人の高頻度に存在する。この病態に何らかの増悪因子が加わり臨床的な発病をみるが、最近かなりの増悪因子が明らかにされてきた。・・・

[増悪因子の種類]
 増悪因子を大別すると、生体の生理的または病的変化の影響、環境因子および薬剤に分けることが出来る。(表1)
Table1s 

・・・

[スギ花粉症]
 スギ花粉症に罹患すると生体は局所または全身的なTh2優位の状態になると考えられ、バセドウ病が発症または増悪する。図2にスギ花粉症に罹患した後の抗体価の経時変動を模式的に示した。
Fig2s  

 大阪地区ではスギ花粉症の頻度は一般成人の32.6%に比しバセドウ病では42.9%と有意に高く、無痛性甲状腺炎では13.0%と低い。
 このようにスギ花粉症はバセドウ病の明らかな憎悪因子であり、バセドウ病の治療中でスギ花粉症の症状発症後は抗甲状腺剤の減量はかなり慎重にしなければならない。

[出産]
 出産後発症するバセドウ病も含め、全体(Ⅰ永続性甲状腺中毒症,Ⅱ一過性甲状腺中毒症,Ⅲ破壊性甲状腺中毒症,Ⅳ一過性甲状腺機能低下症,Ⅴ永続性甲状腺機能低下症)をまとめて出産後甲状腺機能異常症と云われている。・・・全産後婦人の4~5%の高頻度にみられる。発症メカニズムは図6に示すように、免疫リバウンドで説明出来る。
Fig6s

・・・出産後早期にTh1優位となり橋本病の増悪がおこり、遅れてTh2優位となりバセドウ病が増悪・発症する。

この論文には「薬剤による増悪」も詳しく書かれているのですが、内容が専門的ですので割愛しました。

網野先生の論文では、以下のようなTh1、Th2による甲状腺疾患の説明図がよく使用されています。
(上記論文より 図1 自己免疫性甲状腺疾患の発生機序)

Fig1s

出産の場合は、影響を受ける方によって、橋本病かバセドウ病のどちらかが増悪するのですが、花粉症の場合はTh2優位となるため、バセドウ病が増悪すると考えられているようです。

バセドウ病について(20) 抗甲状腺薬の減量法

先日、バセドウ病について(19) 花粉症との関係は・・・ という記事を書いたときに、引用した論文を書かれた網野信行先生の本がないか調べてみたら、以下のような本があったので購入してみました。

甲状腺疾患の疾病管理テキスト 甲状腺疾患の疾病管理テキスト

著者:宮内 昭
販売元:メディカルレビュー社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

網野信行先生(役職名は「医療法人神甲会 隈病院 学術顧問」)は編集者となっています。

この本では、バセドウ病以外の甲状腺疾患についても幅広く記載されていて、バセドウ病については診断と疾病管理で4ページ、術前・術後の疾病管理で3ページくらい書かれています。

さて、その疾病管理の中で、『抗甲状腺薬による治療』という項目があり、メルカゾールの使い方について、以下のような記載がありました。

バセドウ病の診断と疾病管理  医療法人神甲会 隈病院内科部長 窪田純久

抗甲状腺薬による治療 (25ページ)

1.治療開始時の注意
 ・・・ 妊娠を計画している場合を除いて、MMI(メルカゾール)を15mg/日(3錠/日)で開始することを推奨する。 これまでは30mg/日で開始することが標準的であったが、副作用の頻度が用量依存的に増加するため、よほど甲状腺が大きい場合や甲状腺ホルモン値が測定限度を超えている場合以外は、15mgの方が安全である。

2.抗甲状腺薬の減量法
 甲状腺機能を速やかに正常化させ、かつ甲状腺ホルモン値が下がりすぎないようにコントロールすることは、経験を積んだ専門医でも容易ではない場合がある。
 治療初期には甲状腺ホルモン値を1ヵ月ごとに検査し、FT4 と FT3 が正常範囲の上限に入ったら、MMIを10mg(2錠)に減量する。
 さらに FT4 と FT3 が正常範囲内の中間にきたら、5mg(1錠)へ減量するという方法を提案したい。
 甲状腺が大きい場合は抗甲状腺薬の減量が遅れ、小さい場合は減量が早いことに留意する。
 迷う場合には12.5mg/日(1日2錠と1日3錠を交互に内服)、7.5mg/日(1日1錠と2錠を交互に内服)という手段を用いる。
 初期においてはTSHが抑制されているため、TSH値を減量の参考にしてはならない。TSHはFT4,FT3の正常化から2~3ヵ月遅れて正常化することが多いからである。
 また、検査結果は必ず早期に確認し、減量するかどうかを判断する。たとえば、次回1ヵ月後に来院した時に結果をみて判断するようなことは避けるべきである。ホルモン値の変動が大きくなりすぎるからである。図3に実際の減量例を示した。症例1は比較的早期に減量が可能であった例で、症例2は時間を要した例である。

斜体字のところと下線は私が追加しました。)
 

図3は症例1と症例2での、FT4、TSHの変化と、メルカゾールの減量経過を示したものが記載されていましたが、分かり易いように、これをグラフにすると、以下のようになります。

グラフ中の点線はFT4の正常範囲を示しています。(0.7~1.6ng/dL)

症例1 比較的早期に減量が可能であった例
Photo

症例2 減量に時間を要した例
Photo_2

特徴的なのは、どちらの場合も、MMIを3錠から開始されています。その後、FT4が正常範囲に入ったらMMIを減量しています。
特に症例1では、1ヵ月後には適正範囲に入っていて、すぐに2錠に減量しています。

一方、私の治療経過を同じようにグラフにすると、以下のようになります。

私の場合
Photo_3

治療開始時の FT4 が上記の症例1,2よりも低いにも関わらす、MMIは6錠と多いところから開始してしまっています。
1ヵ月後には FT4 は適正範囲に入っているのですが減量が遅れてしまい、その後適正範囲を下回ってしまいました。 そのため、TSHは急上昇しています。 自己判断で思い切って減量したことで、ようやくFT4が回復しました。

もし、あのまま服用量を減量しなければ、確実に甲状腺機能低下症に陥っていたと思います。

そして、最初から専門病院で治療を受けていたら、症例1のような治療経過をたどることができたのではないかなと感じています。

メルカゾールを使った治療をする全ての医師には、このような治療方法に関する情報が確実に伝わるようにしていただきたいものです。

バセドウ病について(19) 花粉症との関係は・・・

以前、バセドウ病について(14) 発病のきっかけを思い起こしてみると・・・ にも書きましたが、

NHK「ためしてガッテン」(2008年5月28日放送)の『謎の体調不良の犯人!あなたの知らない甲状腺の真実』で

バセドウ病と花粉症の関係が指摘されていました。

私も花粉症歴約30年で、去年バセドウ病が発症したときも花粉症が終わりかけの頃だったので、

バセドウ病と花粉症の関係については以前から気になっていて、

でも、学術的な記載がなかなか見つからずに、本当はどうなのかなと思っていたのですが、

昨日もう一度、google で検索したら、以下のような論文が見つかりました。

 

標題: バセドウ病における抗TSH受容体抗体産生機序に関する研究:スギ花粉症による刺激について

資料名: ホルモン受容機構異常に関する調査研究班 平成14年度研究報告書
      (厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業)

著者: 網野信行 (大阪大 大学院医学系研究科 生体情報医学)

抄録

 寛解ないしそれに近い状態にあるバセドウ病患者の経過中,スギ花粉症が発生すると数か月後に抗TSH受容体抗体,抗TPO抗体および抗サイログロブリン抗体の産生増加が,スギ花粉特異的IgE抗体産生と同様にみられた。
 バセドウ病におけるスギ花粉症合併率は40%を超えたため,本症の明らかな増悪因子になっているものと考えられる。今後,Th2免疫反応の抑制が本症の新しい治療法の開発につながるものと考えられた。
 

網野先生は、神戸 隈病院 の学術顧問も務めた方で、甲状腺の専門医です。

現在、この論文のコピーを取り寄せていますので、到着したら、また記事を書こうと思います。

 

でも、取り敢えず、バセドウ病でスギ花粉症も発症している人は、十分注意した方が良いのかもね。

< 2010.4.4 追記 >
関連記事 バセドウ病について(21) バセドウ病の増悪因子

バセドウ病について(17) TRAbは微減でした

先日、2月6日に受診したときの血液検査で当日結果が出なかったTRAbについて

クリニックから連絡をもらいました。

結果は「1.4」。

3ヵ月前と比較して-0.5の微減でした。

1以下になるかと少し期待していたのですが、

なかなか下がらないものですね。

グラフにすると以下のとおりです。

Graph_20100206_2

TRAbが下がらないと薬の中止も検討できないので、

もう暫くは薬を飲み続けないといけないようです。

それにしても、どこの細胞がこんなものを作っているのだろうか。

バセドウ病について(16) 検査結果は安定、でも薬は減量せず・・・

昨日、1ヵ月半振りの診察でした。

検査結果は安定していて、問題ないとの判断。

TRAbは外注検査のため、当日には結果が分かりませんでしたが。

薬の量は減量せず、現在の1錠/日を継続することになりました。

多分、現状で機能低下にもなっていないし
TRAbが分かってから決めようということだと思います。

薬の服用量と検査結果の推移をグラフにすると以下のとおりです。

横軸は治療開始日からの経過日数。昨日は180日目でした。

赤線は正常値の範囲を示しています。

Graph_20100206_2 

TRAb の検査結果は来週中には出るのだと思いますが、結果を聞けるのは次回4月の受診日、2ヵ月以上先です。

個人的には TSH が低下しているのが少し気になりますが、バセドウとは関係でしょう。

バセドウ病について(15) 血液検査結果は安定していました

昨日は、1ヵ月振りの診察でした。

メルカゾールを1錠/日に減らして1ヶ月半、
全ての検査結果は正常値で安定していました。

でも、服用量はまだ減らさない方がいいだろうということで
1錠/日を継続することになりました。

状態も安定してきているので、次の診察は1.5ヵ月後です。

次回の血液検査では TRAb も測定することになりました。
正常化しているといいんだけど。

20091220_4

それから、「すみれクリニック」の今日の待合室では、いつもの『ワイルドライフ』ではなく
NHK BSHi プレミアム8<紀行> 夢の聖地へ ▽モネの庭 花の生命をつむぐために~假屋崎省吾」が写っていました。
NHKが作った『世界ウルルン滞在記』みたいな番組。
「假屋崎省吾が、モネの庭園でフランス一の庭師と出会った~」みたいな感じ。

バセドウ病について(13) TSH, FT3, FT4 が正常化!

今日は大阪で2週間ぶり、2回目の診察日です。

行きは新幹線を使いましたが、3連休の初日で自由席は通路も歩けないほどの混雑。
でも、多くの人が京都で降りたので、それ以後は座れました。

11時15分に病院に到着し採血、1時間待って診察は12時15分からでした。

血液検査結果の推移

  記号 [単位] /項目  標準値治療
開始時

投薬
開始
23日

37日51日65日89日93日103日
TSH             [μIU/ml]
甲状腺刺激ホルモン
0.35~4.94 0.0 0.0 0.0 0.18 1.53 12.3 9.1 3.96
FT3             [pg/ml]
遊離トリヨードサイロニン
  1.7~3.7 30以上 4.0 2.7 2.3 2.2 2.3 2.5 3.0
FT4              [ng/dl]
遊離サイロキシン
  0.7~1.5 3.0 1.0 0.7 0.5 0.6 0.7 0.7 1.14
TRAb            [IU/l]
TSHレセプター抗体
  0.0~1.0 4.4 4.1 2.8 1.9
TSAb             [%]
TSH刺激性レセプター抗体
  0~180 357
Tg-Ab            [U/ml]
抗サイログロブリン抗体
  0~0.3 0.4
TPO-Ab         [U/ml]
抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
  0~0.3 15.0
AST (GOT)      [IU/l]
asparate aminotransferase
  10~38 27 41 28 37 21 18 12
ALT (GPT)      [IU/l]
alanine aminotransferase
   6~38 43 107 61 74 34 23 17
体重              [kg]     発病
4ヶ月前比
-5.8 -3.7 -3.3 -2.2 -1.0 -0.6 -1.2 -1.8
メルカゾール服用量  (期間:日)
    日量
   - 0-14
  6錠
15-52
4錠
53-
3錠
74-
2錠
  89-
  1錠
チラーヂン 50μg服用量  (期間:日)
    日量
   - 0-14
  -
15-50
  -
      51-103
       1/2錠
104-
  -

表中の数字で、青文字は標準値未満(異常低値)赤文字は標準値超過(異常高値)です。

今回、治療開始から103日目で TSH,FT3,FT4 が全て標準値に治まりました。

これに伴い TRAb も順調に低下してきています。

先生はチラーヂンを止めるか続けるか少し迷っていましたが、
結局、明日からは止めることになりました。

グラフにすると以下の通りです。

20091121_2

メルカゾールの減量が適切だったようです。

メルカゾールを減量してからは、脈拍も上昇してきています。
体温も少し上がっているのかもしれません。

血圧も上昇していますが、これは気温の低下によるものではないかと思われます。

体調も安定してきたので、次回の診察は1ヵ月後になりました。

バセドウ病について(12) 「チラーヂン」と「FT4」の関係について

現在、抗甲状腺薬「メルカゾール」の影響でやや甲状腺機能低下症になっているため、
甲状腺ホルモン剤「チラーヂンS 50μg」(0.5錠/日)も併用しています。

チラーヂンの有効成分は「レボチロキシンナトリウム水和物」

Thyradin

ですが、

これは甲状腺ホルモン「サイロキシン(T4)」

Thyroxine_s

と基本的に同じであり、チラーヂンはT4として作用します。

チラーヂンの添付文書 を見ると、
臨床成績として原発性甲状腺機能低下症の患者8例に2週間毎に50μg/日増量投与
( 50μg/日,100μg/日,150μg/日) したときの、T4の変化が記載されています。

チラーヂン臨床成績

投 与 量T4
[μg/dL]
投 与 前 2.1±0.6
50μg/日 4.1±0.8
100μg/日 6.7±0.7
150μg/日 8.2±0.5

これをグラフにすると以下のようになります。

Thyradin_t4

これを見ると、投与量にほぼ比例して T4 も増加しています。
概略で チラーヂン50μg/日 に対して T4 が 2μg/dL 増加しています。

 

さて、甲状腺ホルモン(T3,T4)は体内では結合蛋白(主にTGB)と結合しており、
生理活性を示すのは遊離型の「FT3」「FT4」です。

遊離型の「FT4」が占める割合は「T4」に対して、
僅か 0.02~0.03% と言われています。

 ・三菱化学メディエンス 「遊離サイロキシン(FT4)」
  http://data.medience.co.jp/compendium/main.asp?field=03&m_class=02&s_class=0004
 ・岡山大学病院 検査部/輸血部インフォメーション
  http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/koujou/FT4.htm

間を取ると T4 の 0.025% が FT4 になると考えられます。

これと、前述のチラーヂンの臨床成績を単純に合わせて考えると、
チラーヂン 50μg/日 の服用により、T4 が 2μg/dL 増加し、
それによって FT4 は その 0.025% つまり 0.5ng/dL 増加すると
考えられるのではないかと思います。

私の場合、チラーヂン25μg/日 を服用していますので、
これによって FT4 が 0.25ng/dL 上昇しているとすると
現在の FT4 が 0.7ng/dL なので、
チラーヂンを服用しないと 0.4~0.5ng/dL になるのかもしれません。

これでは、やはり甲状腺機能低下症ですね。
次の診察ではメルカゾールを隔日投与に減量になるかもしれません。

バセドウ病について(11) 最後の診察でした

今日はこれまで通院していた総合病院での最後の診察でした。

一番右の「93日」の欄が今日の検査結果です。

それから、前回(65日)のTRAbの値も判りました。

血液検査結果の推移

  記号 [単位] /項目  標準値治療
開始時

投薬
開始
23日

37日51日65日89日93日
TSH             [μIU/ml]
甲状腺刺激ホルモン
0.35~4.94 0.0 0.0 0.0 0.18 1.53 12.3 9.1
FT3             [pg/ml]
遊離トリヨードサイロニン
  1.7~3.7 30以上 4.0 2.7 2.3 2.2 2.3 2.5
FT4              [ng/dl]
遊離サイロキシン
  0.7~1.5 3.0 1.0 0.7 0.5 0.6 0.7 0.7
TRAb            [IU/l]
TSHレセプター抗体
  0.0~1.0 4.4 4.1 2.8
TSAb             [%]
TSH刺激性レセプター抗体
  0~180 357
Tg-Ab            [U/ml]
抗サイログロブリン抗体
  0~0.3 0.4
TPO-Ab         [U/ml]
抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
  0~0.3 15.0
AST (GOT)      [IU/l]
asparate aminotransferase
  10~38 27 41 28 37 21 18
ALT (GPT)      [IU/l]
alanine aminotransferase
   6~38 43 107 61 74 34 23
体重              [kg]     発病
4ヶ月前比
-5.8 -3.7 -3.3 -2.2 -1.0 -0.6 -1.2
メルカゾール服用量  (期間:日)
    日量
   - 0-14
  6錠
15-52
4錠
53-
3錠
74-
2錠
  89-
  1錠
チラーヂン 50μg服用量  (期間:日)
    日量
   - 0-14
  -
15-50
  -
      51-
       1/2錠

表中の数字で、青文字は標準値未満(異常低値)赤文字は標準値超過(異常高値)です。

前回、急上昇した TSH は少し低下しました。
これは メルカゾール を1錠に減量した効果だと思われます。

また、65日の時に測定した TRAb は 2.8 に低下していました。
これが、このまま順調に低下していって、1.0 以下にまで低下したら
薬の中止も検討できる状態になります。

これなら TSH と FT4 を正常範囲に維持するように メルカゾール の服用量をコントロールすれば問題なさそうです。

それから、今日はこの病院での受診を最後にして、今度から「すみれクリニック」に通院する旨を担当医師に伝えました。

ちょっと驚いたようでしたが、「では手紙を書きましょう」と紹介状を書いてくれることになりました。

まじめな先生で、あの病院の中では良い先生だと思うのですが・・・