カテゴリー「科学」の80件の記事

日食・・・ でも部分日食しか見られませんでした

どうせ、曇りでしょ。 と、思いつつ午前6時45分頃に外に出てみたら

なんと、晴天。

太陽が綺麗に輝いていました。

そこから、出勤までの30分間で、バタバタと準備をして日食を撮影。

Img_5166b

EOS7D + EF400mm F5.6L + ND400 + ND16 + ND8

画像は等倍切り出し。

NDフィルターを禁断の3枚重ね。 合計 ND51200。

しかも、手持ちで撮影。

ちゃんと準備をしておけばよかったと、またまた反省。

 

写真は、2012年5月21日 午前 7:13 頃です。

食分0.73程度かなぁ。

最大食分は 7:31 でしたが、そのころは通勤の車の中でした・・・orz

いずれにしても、当地では部分日食しか見られなかったのですけどね。

まあ、黒点も写っているみたいだし、よしとします。

 

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[小ネタ集] 落下してくる人工衛星 UARS の軌道を Google map 上で見る

落下を続けている人工衛星 UARS は、日本時間の24日未明から朝にかけて大気圏に

再突入すると予測されていますが、

 NHKニュース 人工衛星 北米通過後に落下へ

 NASA=アメリカ航空宇宙局は、22日、地球に向けて落下を続けている人工衛星について、
 北アメリカの上空を通過したあと、早ければ日本時間の24日未明に大気圏に突入すると発表しました。
 
 この問題は、地球の周りを回っていたNASAの人工衛星が6年前に運用を終えたあと、
 地上に向けて徐々に落下しているもので、大気圏に突入すると衛星の大部分は燃えてなくなりますが、
 一部の破片が地上に到達する恐れが指摘されています。NASA=アメリカ航空宇宙局は、
 22日、最新の情報を発表し、衛星は北アメリカの上空を北西から南東へと通過したあと、
 日本時間の24日未明から昼前にかけて大気圏に突入するとしています。
 NASAは、衛星の破片26個が地上に到達する恐れがあり、日本列島を含む北緯57度から
 南緯57度の間の広い地域に破片が落下する可能性があるとしています。
 また、破片の重さは、小さいものは1キロ程度、最も大きいものはおよそ160キロとしています。
 NASAによりますと、衛星は制御できない状態のため、いつ、どこで大気圏に突入するのか、
 詳しいことは直前になっても予測できない可能性があるとしています。NASAは、
 破片が人に当たる確率は極めて低いとしていますが、引き続き監視を続け、
 ホームページなどを通して情報を提供していきたいとしています。

この軌道を Google map 上に表示してくれるサイトがありました。

http://www.lizard-tail.com/isana/tracking/index.html?&target=uars

Google_uars

柏井勇魚(かしわいいさな)さん という方が作られたものです。

日本上空を通過する際には、もしかすると見えるかもしれませんが

高度が180kmなので、かなり近くを通らないと見えにくいでしょうね。

 

軌道計算によれば衛星は、24日午前3時25分に南西の方角に見えるようです。

軌道は北西から南南東、見えるのは数分。

http://www.heavens-above.com/AllPass1Sat.asp?satid=21701&lat=35.700&lng=139.767&loc=Tokyo&alt=20&tz=JapST 

でも、そのころには落下してしまっているかも。

その前に、空気抵抗が大きくなるから計算とは大きくずれるかも。

落下物の予測は難しいです。

 

< 参考情報 >

NASA UARSサイト → Google 翻訳

文部科学省 衛星の落下に関する情報

文部科学省 UARS 再突入の概要(仮訳)

NASA 上層大気調査衛星(UARS)の再突入及びリスク評価(仮訳)

 ORSAT の出力例:高度制御モジュラーサブシステム(MACS)の部分溶融

Uars_macs

 残存デブリの軌道に沿った分散状況

Debris

  赤枠内:残存コンポーネント

 

文部科学省公式 facebook

Uars

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[小ネタ集] ICP発光分光分析 波長データベース

ICP発光分光分析で各元素の発光波長が知りたいときは良くあります。

特に、何か別の元素と重なっていそうなときなど。

そんなときは、

アメリカ国立標準技術研究所 (National Institute of Standards and Technology, NIST) の

NIST Atomic Spectra Database Lines Form が便利です。

 

Nist_atomic_spectra_database_lines_

 

<簡単な使い方>

「Lower Wavelength」 と 「Upper Wavelength」 を入力して、「Units」を指定して

右下の 「Retrieve Data」をクリックするとページが変わります。

そのまましばらく待つと、

指定した波長の範囲に入る各元素の発光波長リストが表示されます。

 

「Spectrum」 に 元素記号 を入力すると、指定した元素の発光波長リストが表示されます。

 

注意: 非常に多くのデータが表示されますので、波長の指定範囲は1~2nm程度が見やすいと思います。

 

印刷物だと、MIT Wavelength Tables なんかが有名でしょうか。

MIT Wavelength Tables

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ヒトの体には1kgあたり約100ベクレルの放射性物質が含まれています

これは、かなり有名なお話で、いろいろなところに書かれていて、ご存知の方も多いと思いますが・・・

 

ヒトの体を構成する主な元素を、割合の多い順に並べると下の表の通りですが、

この内、炭素 と カリウム には天然の放射性核種 14C と 40K が含まれています。

(どちらもβ崩壊します。)

人体を構成している元素組成

元 素
元素
記号
体重に対する
重量比(%)
含まれる
放射性核種
酸 素
O
61
炭 素
C
23
14C
水 素
H
10
窒 素
N
2.6
カルシウム
Ca
1.4
リ ン
P
1.1
硫 黄
S
0.2
カリウム
K
0.2
40K
ナトリウム
Na
0.14
塩 素
Cl
0.12
マグネシウム
Mg
0.027

 

14C は炭素全体の1兆分の1以下、 40K はカリウム全体の 0.0117% しか含まれていませんが、

この二つの天然放射性核種が、自然に生じる内部被曝の原因物質になっています。

実際に、これらの放射性核種が人体にどれくらい存在して、どの程度の放射線を放出しているのか

計算してみたのが下の表です。

自然に存在するカリウムと炭素による自然内部被曝量の計算

項目
記号
カリウム
K
炭素
C
人体の元素組成比率
A
0.2%
23%
含まれる放射性核種
40K
14C
放射性同位体存在比
B
0.0117%
1×10-12
体重1kgあたりの
放射性同位体存在量
C=1000g×A×B
0.000234g
2.3×10-10g
原子量
D
40
14
体重1kgあたりの
放射性同位体原子数
E=C/D×6.02×1023
3.5×1018
9.9×1012
放射性核種の
半減期 (年)
T
12.5億年
5730年
放射性核種の
半減期 (秒)
t=T×365.25×24×60×60
3.94×1016
1.81×1011
時定数
τ=t/ln2
5.68×1016
2.61×1011
体重1kgあたりの
毎秒崩壊原子数
(ベクレル Bq)
E/τ
62
38

 

つまり、ヒトのからだ1kgあたりに存在する「カリウム40」が 3.5×1018 個で 62ベクレル、

「炭素14」が 9.9×1012 個存在し 38ベクレルとなり、

合計100ベクレルの放射性同位体が、からだ1kgに自然に存在していることになります。

体重60kgの人は、約6000ベクレルの放射性物質を体内に保有しています。

人類が誕生して以来、ずーっとこの状態で人間は生きてきました。

 

カリウム40は半減期が12.5億年ととても長く、地球ができたときに既に存在していたものと考えられています。

また、炭素14は、半減期は比較的短いのですが、空気中の窒素に宇宙線が作用して常に大気中で生成されているため、一定量が存在します。

そのため、すべての生物を構成する炭素、カリウムに放射性同位体が含まれています。

人はこれらの炭素、カリウムを食品を通じて摂取しています。

そして、これらの放射性同位体を含まない食品は存在しません。

 

<参考文献>

人体中の放射能 

(原子力百科事典アトミカ)

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夢の島熱帯植物館(3) ヤコウタケ

夢の島熱帯植物館には、八丈島に生息する ヤコウタケ が展示されていました。

暗い部屋の中で、緑色に光っていましたが、思ったよりも明るかったです。

今回、初めて、ISO12800 を使ってみました。

マクロを開放、手持ちで撮ったので、ピントが難しかったです。

Img_7886ab

 

Img_7880ab

 

以下は、展示パネルに書いてあった説明文です。

 

● ヤコウタケはどんなキノコですか?

 夜光茸はハラタケ目キシメジ科に属します。
 明るい場所では白いキノコですが、暗い場所では青く光ります。
 光量が強く、世界で一番光るキノコです。

● ヤコウタケはどこに住んでいますか?

 東南アジア地域の亜熱帯性気候に分布しています。
 高湿度、高温を好み、雨期によく発生します。日本では小笠原諸島や八丈島など、
 太平洋側の亜熱帯地域に生息しています。
 枯れた竹やヤシなどに発生しやすく、八丈島ではフェニックスヤシによく見られます。

● 光る理由はなんですか?

 発光生物が光る理由は様々です。
 ホタルは生殖のために光で相手を誘います。
 チョウチンアンコウは、暗い海の底で餌になるものを誘い出します。
 ほかにも外敵への威嚇や、仲間とのコミュニケーション、めくらましなど種類によって
 いろいろ考えられていますが、まだ理由はよくわかっておりません。
 ヤコウタケの場合は、小さな生き物に胞子を運ばせるためでしょうか?

● 光の強さは?

 ヤコウタケは発光キノコの中でも一番強い光を放ちます。
 10本群生すれば、新聞の活字が読めるほど明るいと言われています。
 光は連続的ですが、温度や湿度に左右されやすく、細胞の生命とも関係があります。
 発光は2日目が一番強く、3日程度で発光は終わります。
 発生している木等の培地からキノコだけ取っても光が消えることはありません。

 

八丈島の森の中では、ヤコウタケが今も光っているのでしょうね。

 

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バセドウ病について(28) 重回帰分析でメルカゾールの適量を予測してみる

先週の検査数値によって再発(再燃)していることが判明してしまったのですが、

以前、バセドウ病について(18) FT4を重回帰分析で予測してみる でやってみた重回帰分析の結果を使って、昨年9月と先週の検査値を計算してみました。

計算に使った式は、前と同じ↓です。

 FT4 = 0.411421×TRAb - 0.53005×MMI服用量 - 0.05931×TSH + 1.209412

 

結果は下のグラフの通りで、実測値と非常に良く一致しています。

現在でも、この式は有効のようです。

Ft42

 

次に、この式を使って、メルカゾールを 0錠/日から3錠/日 服用した場合の FT4 を予測してみました。

下のグラフ、紺色の線()はメルカゾール服用量によるFT4の予測値を、

赤丸()は、今回の実測値を示しています。

Ft4

この計算によると、メルカゾール1錠から2錠だとFT4が正常範囲に入りそうです。

0.5錠では少ないし、2.5錠以上では多過ぎです。

先生が処方された1錠/日はズバリこの範囲に入っていました。

でも、早く正常化させるには1.5錠でも良いかもと、ちょっと考えてしまいます。

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バセドウ病について(21) バセドウ病の増悪因子

先日の記事 バセドウ病について(19) 花粉症との関係は・・・ に引用させていただいた網野先生について、バセドウ病と花粉症に関する論文が他にもないか調べていたら、

メディカルオンライン というサイトで、「自己免疫性甲状腺疾患の増悪因子」という論文を発見しました。

このサイトは会員制の有料ダウンロードサイトなのですが、登録をしてダウンロードしました。

以下はその論文の抜粋です。

『診断と治療』 Vol.93-No.7 2005(118) 1128-1133

実地医家,研修医の目線で見た甲状腺疾患の診療
持っておいた方がよい知識

自己免疫性甲状腺疾患の増悪因子

医療法人神甲会 隈病院学術顧問 網野信行 ,内科 窪田純久

[はじめに]
 自己免疫性甲状腺疾患にはバセドウ病と橋本病がある。明らかな臨床症状がなくても血液検査で甲状腺自己抗体が陽性を示す潜在性自己免疫性甲状腺炎は、成人女性の10人に一人の高頻度に存在する。この病態に何らかの増悪因子が加わり臨床的な発病をみるが、最近かなりの増悪因子が明らかにされてきた。・・・

[増悪因子の種類]
 増悪因子を大別すると、生体の生理的または病的変化の影響、環境因子および薬剤に分けることが出来る。(表1)
Table1s 

・・・

[スギ花粉症]
 スギ花粉症に罹患すると生体は局所または全身的なTh2優位の状態になると考えられ、バセドウ病が発症または増悪する。図2にスギ花粉症に罹患した後の抗体価の経時変動を模式的に示した。
Fig2s  

 大阪地区ではスギ花粉症の頻度は一般成人の32.6%に比しバセドウ病では42.9%と有意に高く、無痛性甲状腺炎では13.0%と低い。
 このようにスギ花粉症はバセドウ病の明らかな憎悪因子であり、バセドウ病の治療中でスギ花粉症の症状発症後は抗甲状腺剤の減量はかなり慎重にしなければならない。

[出産]
 出産後発症するバセドウ病も含め、全体(Ⅰ永続性甲状腺中毒症,Ⅱ一過性甲状腺中毒症,Ⅲ破壊性甲状腺中毒症,Ⅳ一過性甲状腺機能低下症,Ⅴ永続性甲状腺機能低下症)をまとめて出産後甲状腺機能異常症と云われている。・・・全産後婦人の4~5%の高頻度にみられる。発症メカニズムは図6に示すように、免疫リバウンドで説明出来る。
Fig6s

・・・出産後早期にTh1優位となり橋本病の増悪がおこり、遅れてTh2優位となりバセドウ病が増悪・発症する。

この論文には「薬剤による増悪」も詳しく書かれているのですが、内容が専門的ですので割愛しました。

網野先生の論文では、以下のようなTh1、Th2による甲状腺疾患の説明図がよく使用されています。
(上記論文より 図1 自己免疫性甲状腺疾患の発生機序)

Fig1s

出産の場合は、影響を受ける方によって、橋本病かバセドウ病のどちらかが増悪するのですが、花粉症の場合はTh2優位となるため、バセドウ病が増悪すると考えられているようです。

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バセドウ病について(20) 抗甲状腺薬の減量法

先日、バセドウ病について(19) 花粉症との関係は・・・ という記事を書いたときに、引用した論文を書かれた網野信行先生の本がないか調べてみたら、以下のような本があったので購入してみました。

甲状腺疾患の疾病管理テキスト 甲状腺疾患の疾病管理テキスト

著者:宮内 昭
販売元:メディカルレビュー社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

網野信行先生(役職名は「医療法人神甲会 隈病院 学術顧問」)は編集者となっています。

この本では、バセドウ病以外の甲状腺疾患についても幅広く記載されていて、バセドウ病については診断と疾病管理で4ページ、術前・術後の疾病管理で3ページくらい書かれています。

さて、その疾病管理の中で、『抗甲状腺薬による治療』という項目があり、メルカゾールの使い方について、以下のような記載がありました。

バセドウ病の診断と疾病管理  医療法人神甲会 隈病院内科部長 窪田純久

抗甲状腺薬による治療 (25ページ)

1.治療開始時の注意
 ・・・ 妊娠を計画している場合を除いて、MMI(メルカゾール)を15mg/日(3錠/日)で開始することを推奨する。 これまでは30mg/日で開始することが標準的であったが、副作用の頻度が用量依存的に増加するため、よほど甲状腺が大きい場合や甲状腺ホルモン値が測定限度を超えている場合以外は、15mgの方が安全である。

2.抗甲状腺薬の減量法
 甲状腺機能を速やかに正常化させ、かつ甲状腺ホルモン値が下がりすぎないようにコントロールすることは、経験を積んだ専門医でも容易ではない場合がある。
 治療初期には甲状腺ホルモン値を1ヵ月ごとに検査し、FT4 と FT3 が正常範囲の上限に入ったら、MMIを10mg(2錠)に減量する。
 さらに FT4 と FT3 が正常範囲内の中間にきたら、5mg(1錠)へ減量するという方法を提案したい。
 甲状腺が大きい場合は抗甲状腺薬の減量が遅れ、小さい場合は減量が早いことに留意する。
 迷う場合には12.5mg/日(1日2錠と1日3錠を交互に内服)、7.5mg/日(1日1錠と2錠を交互に内服)という手段を用いる。
 初期においてはTSHが抑制されているため、TSH値を減量の参考にしてはならない。TSHはFT4,FT3の正常化から2~3ヵ月遅れて正常化することが多いからである。
 また、検査結果は必ず早期に確認し、減量するかどうかを判断する。たとえば、次回1ヵ月後に来院した時に結果をみて判断するようなことは避けるべきである。ホルモン値の変動が大きくなりすぎるからである。図3に実際の減量例を示した。症例1は比較的早期に減量が可能であった例で、症例2は時間を要した例である。

斜体字のところと下線は私が追加しました。)
 

図3は症例1と症例2での、FT4、TSHの変化と、メルカゾールの減量経過を示したものが記載されていましたが、分かり易いように、これをグラフにすると、以下のようになります。

グラフ中の点線はFT4の正常範囲を示しています。(0.7~1.6ng/dL)

症例1 比較的早期に減量が可能であった例
Photo

症例2 減量に時間を要した例
Photo_2

特徴的なのは、どちらの場合も、MMIを3錠から開始されています。その後、FT4が正常範囲に入ったらMMIを減量しています。
特に症例1では、1ヵ月後には適正範囲に入っていて、すぐに2錠に減量しています。

一方、私の治療経過を同じようにグラフにすると、以下のようになります。

私の場合
Photo_3

治療開始時の FT4 が上記の症例1,2よりも低いにも関わらす、MMIは6錠と多いところから開始してしまっています。
1ヵ月後には FT4 は適正範囲に入っているのですが減量が遅れてしまい、その後適正範囲を下回ってしまいました。 そのため、TSHは急上昇しています。 自己判断で思い切って減量したことで、ようやくFT4が回復しました。

もし、あのまま服用量を減量しなければ、確実に甲状腺機能低下症に陥っていたと思います。

そして、最初から専門病院で治療を受けていたら、症例1のような治療経過をたどることができたのではないかなと感じています。

メルカゾールを使った治療をする全ての医師には、このような治療方法に関する情報が確実に伝わるようにしていただきたいものです。

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バセドウ病について(19) 花粉症との関係は・・・

以前、バセドウ病について(14) 発病のきっかけを思い起こしてみると・・・ にも書きましたが、

NHK「ためしてガッテン」(2008年5月28日放送)の『謎の体調不良の犯人!あなたの知らない甲状腺の真実』で

バセドウ病と花粉症の関係が指摘されていました。

私も花粉症歴約30年で、去年バセドウ病が発症したときも花粉症が終わりかけの頃だったので、

バセドウ病と花粉症の関係については以前から気になっていて、

でも、学術的な記載がなかなか見つからずに、本当はどうなのかなと思っていたのですが、

昨日もう一度、google で検索したら、以下のような論文が見つかりました。

 

標題: バセドウ病における抗TSH受容体抗体産生機序に関する研究:スギ花粉症による刺激について

資料名: ホルモン受容機構異常に関する調査研究班 平成14年度研究報告書
      (厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業)

著者: 網野信行 (大阪大 大学院医学系研究科 生体情報医学)

抄録

 寛解ないしそれに近い状態にあるバセドウ病患者の経過中,スギ花粉症が発生すると数か月後に抗TSH受容体抗体,抗TPO抗体および抗サイログロブリン抗体の産生増加が,スギ花粉特異的IgE抗体産生と同様にみられた。
 バセドウ病におけるスギ花粉症合併率は40%を超えたため,本症の明らかな増悪因子になっているものと考えられる。今後,Th2免疫反応の抑制が本症の新しい治療法の開発につながるものと考えられた。
 

網野先生は、神戸 隈病院 の学術顧問も務めた方で、甲状腺の専門医です。

現在、この論文のコピーを取り寄せていますので、到着したら、また記事を書こうと思います。

 

でも、取り敢えず、バセドウ病でスギ花粉症も発症している人は、十分注意した方が良いのかもね。

< 2010.4.4 追記 >
関連記事 バセドウ病について(21) バセドウ病の増悪因子

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バセドウ病について(18) FT4を重回帰分析で予測してみる

先日、クリニックから最近のTRAb検査結果をいただきましたが、

重回帰分析を使ったら、FT4との関係を表現できる回帰式を作れるのではと思い

適当に変数を選んで Excel で分析したところ、かなり良い予測結果が得られました。

詳細は以下のとおりです。

 

1.変数の選択

 計算したいのは「FT4」ですので、これを目的変数にして、

 関連していると考えられる「TRAb」「メルカゾール(MMI)の服用量」「TSH」を

 説明変数としました。

  目的変数(Y) : FT4
  説明変数(X1): TRAb
        (X2): MMI服用量
        (X3): TSH

 

2.データの準備

 治療開始前の昨年7月22日から先日2月6日の血液検査結果とMMI服用量を

 データとして使用しました。

 TRAbは測定していない日もありますが、前後の数値から適当に補間して

 数値を補いました。 観測数は9です。

使用したデータ

検査日付TRAbMMI
服用量
TSHFT4
2009/ 7/22 4.4 0 0.00 3.0
2009/ 9/ 2 4.3 4 0.00 1.0
2009/ 9/16 4.1 4 0.00 0.7
2009/ 9/30 3.5 4 0.18 0.5
2009/10/14 2.8 3 1.53 0.6
2009/11/ 7 1.9 1 12.3 0.72
2009/11/21 1.7 1 3.96 1.14
2009/12/19 1.55 1 3.66 1.18
2010/ 2/ 6 1.4 1 0.74 1.20

 

3.Excelを使った重回帰分析

 Excelには簡単に重回帰分析ができるツールがあります。

 使い方は以下のサイト等に詳しく書かれていますので、そちらを参照してください。

 http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/statistics/mul_reg3.htm

 http://gucchi24.hp.infoseek.co.jp/MRAEX1.htm

4.分析結果

 分析結果は以下の通りですが、

 重相関R=0.996, 重決定R2=0.991, 補正R2=0.986 と

 極めて高い相関が認められました。

 9個の観測に対する予測値では、最大の残差でも0.14で、

 予測結果は実測値と非常に近い数値となりました。

 Photo

 

5.回帰式

 以上の計算結果から、回帰式は以下の通りとなります。

  FT4 = 0.411421×TRAb - 0.53005×MMI服用量 - 0.05931×TSH + 1.209412

 この式を使ってこれまでの検査結果からFT4を計算した結果と、FT4実測値を比較してみると

 下の表のようになります。

重回帰分析による計算値

検査日付TRAbMMI
服用量
TSHFT4
実測値
FT4
計算値
2009/ 7/22 4.4 0 0.00 3.0 3.02
2009/ 9/ 2 4.3 4 0.00 1.0 0.86
2009/ 9/16 4.1 4 0.00 0.7 0.78
2009/ 9/30 3.5 4 0.18 0.5 0.52
2009/10/14 2.8 3 1.53 0.6 0.68
2009/11/ 7 1.9 1 12.3 0.72 0.73
2009/11/21 1.7 1 3.96 1.14 1.14
2009/12/19 1.55 1 3.66 1.18 1.10
2010/ 2/ 6 1.4 1 0.74 1.20 1.21

Graph_3 

 驚くほど実測値に近い計算結果が得られました。 びっくりです。

 低濃度領域での現象で、変化も緩やかなので、線形近似が成り立ちやすいのかな。

 尚、TSHの係数がマイナスになっているのは変だと思われるかもしれませんが、

 FT4が上昇するとTSHは低下するという傾向を示していると理解すると良いと思います。

 

6.いくつか予測してみると・・・

 (1)現在の状態で、メルカゾールの服用を中止した場合

   現在の状態(TRAb=1.4,TSH=0.74)でメルカゾール服用量を0にして

   FT4を計算してみると、

      FT4 = 1.74

   となりました。

   このクリニックで示しているFT4の正常値は 0.82~1.63 なので

   やはり、今中止すると過剰になるという結果になりました。

 (2)メルカゾールの服用量を増やした場合

   逆に、メルカゾールの服用量を2錠にして計算してみると

     FT4 = 0.73

   となり、低下となります。

   現在の1錠/日という選択は正しいということですね。

 (3)正常な状態でのFT4の値

   仮に、TRAbが0になり、メルカゾールの服用を中止したとき、

   つまり寛解したときのFT4がどのようになるか計算してみると、

   (TSHは正常値範囲の中央値2.3として計算)

      FT4 = 1.07

   となりました。

   やっぱり、ちょっと低めなのかなあ。

 

 

以上のように、簡単な計算で結構正しくFT4を予測できそうなので、

この方法でメルカゾールの服用量を決める参考にしてみるのも良いかなとも思いましたが

医学的には何の根拠もないので、信用しないでくださいね。

 

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