これは、かなり有名なお話で、いろいろなところに書かれていて、ご存知の方も多いと思いますが・・・
ヒトの体を構成する主な元素を、割合の多い順に並べると下の表の通りですが、
この内、炭素 と カリウム には天然の放射性核種 14C と 40K が含まれています。
(どちらもβ崩壊します。)
人体を構成している元素組成
| 元 素 | 元素 記号 | 体重に対する 重量比(%) | 含まれる 放射性核種 |
| 酸 素 |
O |
61 |
|
| 炭 素 |
C |
23 |
14C |
| 水 素 |
H |
10 |
|
| 窒 素 |
N |
2.6 |
|
| カルシウム |
Ca |
1.4 |
|
| リ ン |
P |
1.1 |
|
| 硫 黄 |
S |
0.2 |
|
| カリウム |
K |
0.2 |
40K |
| ナトリウム |
Na |
0.14 |
|
| 塩 素 |
Cl |
0.12 |
|
| マグネシウム |
Mg |
0.027 |
|
14C は炭素全体の1兆分の1以下、 40K はカリウム全体の 0.0117% しか含まれていませんが、
この二つの天然放射性核種が、自然に生じる内部被曝の原因物質になっています。
実際に、これらの放射性核種が人体にどれくらい存在して、どの程度の放射線を放出しているのか
計算してみたのが下の表です。
自然に存在するカリウムと炭素による自然内部被曝量の計算
| 項目 | 記号 | カリウム K | 炭素 C |
| 人体の元素組成比率 |
A |
0.2% |
23% |
| 含まれる放射性核種 |
|
40K |
14C |
| 放射性同位体存在比 |
B |
0.0117% |
1×10-12 |
体重1kgあたりの 放射性同位体存在量 |
C=1000g×A×B |
0.000234g |
2.3×10-10g |
| 原子量 |
D |
40 |
14 |
体重1kgあたりの 放射性同位体原子数 |
E=C/D×6.02×1023 |
3.5×1018個 |
9.9×1012個 |
放射性核種の 半減期 (年) |
T |
12.5億年 |
5730年 |
放射性核種の 半減期 (秒) |
t=T×365.25×24×60×60 |
3.94×1016秒 |
1.81×1011秒 |
| 時定数 |
τ=t/ln2 |
5.68×1016秒 |
2.61×1011秒 |
体重1kgあたりの 毎秒崩壊原子数 (ベクレル Bq) |
E/τ |
62 |
38 |
つまり、ヒトのからだ1kgあたりに存在する「カリウム40」が 3.5×1018 個で 62ベクレル、
「炭素14」が 9.9×1012 個存在し 38ベクレルとなり、
合計100ベクレルの放射性同位体が、からだ1kgに自然に存在していることになります。
体重60kgの人は、約6000ベクレルの放射性物質を体内に保有しています。
人類が誕生して以来、ずーっとこの状態で人間は生きてきました。
カリウム40は半減期が12.5億年ととても長く、地球ができたときに既に存在していたものと考えられています。
また、炭素14は、半減期は比較的短いのですが、空気中の窒素に宇宙線が作用して常に大気中で生成されているため、一定量が存在します。
そのため、すべての生物を構成する炭素、カリウムに放射性同位体が含まれています。
人はこれらの炭素、カリウムを食品を通じて摂取しています。
そして、これらの放射性同位体を含まない食品は存在しません。
<参考文献>
人体中の放射能 表
(原子力百科事典アトミカ)