バセドウ病について(33) 4月のFT4上昇は無痛性甲状腺炎?
昨日、4週間ぶりの検査に行ってきました。
結果はFT4が大きく減少し、甲状腺機能亢進症は順調に改善していました。
メルカゾールは1日2錠に減量です。
さて、病院からは毎回、血液検査数値を教えてもらっているのですが、今日の検査結果を見ると、前回、前々回のTRAbが修正されていました。
先生に尋ねると、検査当日の数値は分析時間を短くした新しい検査法で約30分で数値が得られるのですが、精度にばらつきがあるとのことです。その後、より精密な従来法での検査結果が出たところで、数値を修正しているということでした。
そこで、FT4が上昇した4月の値を見直してみると、TRAbは陰性(1未満)になっていました。それなのにFT4が上昇していたということは、この値だけで考えると、これはバセドウ病ではなく、無痛性甲状腺炎の可能性も考えられると思われます。
無痛性甲状腺炎については、手近で見つけられた文献の抜粋を最後に掲載しておきます。
これらをまとめて、今回のFT4とTRAbの変化について検討してみると、
以下のような症状の推移が考えられないでしょうか。
昨年後半からバセドウ病は寛解期に入っていましたが、
4月に花粉症の影響もあって、寛解時に起きやすい無痛性甲状腺炎を発症し
TRAbは陰性のままFT4が上昇しました。
今回のFT3/FT4比が2.4(=10.4/4.4)と、バセドウ病初期の頃の値6.8以上(30以上/4.4)ほど高くないことからも、
無痛性甲状腺炎の特徴を表していると思われます。
その後、この無痛性甲状腺炎が契機となりバセドウ病が再発しTRAbが上昇したのではないでしょうか。
ただし、バセドウ病は軽症だったためFT4はすぐに低下しました。
これは、私が勝手に考えたストーリーですので、医学的な確証は全くなく
好奇心から得られた一つの推論です。
以下は参考文献です。
バセドウ病治療ガイドライン 2011 編集:日本甲状腺学会, 発行:南江堂
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1 バセドウ病の診断基準 問題となるのは、無痛性甲状腺炎との鑑別である。その診断ガイドラインを表4に示した。
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甲状腺疾患の疾病管理テキスト 監修:宮内 昭, 編集:網野 信行, 発行:メディカルレビュー社
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第2章 4 疾病管理 無痛性甲状腺炎の診断と疾病管理 医療法人神甲会 隈病院内科 工藤 工 ●どんな病気 ●鑑別診断 ●治療 ●予後 |
綜合臨牀 Vol.58 No.7 2009年7月号 特集「甲状腺疾患をマスターする」 発行:永井書店
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破壊性甲状腺中毒症 獨協医科大学内分泌・代謝内科 清水裕晶,(准教授)門傳剛,(教授)笠井貴久男 原因疾患別の病因・病態 本邦における甲状腺中毒症の約10%を占め、バセドウ病によるものに次いで多い。 本症は発症形式として自然発症型と、出産後発症に分類される。前者の誘因は多くが不明であるが、花粉症、Cushing症候群術後、ACTH単独欠損症の発症など誘因が推定できる場合もある。 |
飯高医院 飯高誠 (元埼玉医科大学内科内分泌代謝部門教授・内分泌代謝科専門医)
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診療余話 第八話:無痛性甲状腺炎 一般的には、バセドウ病ではTSHレセプター抗体が陽性で、無痛性甲状腺炎では陰性です。しかし、バセドウ病でも5%程度陰性の人がいますし、無痛性甲状腺炎でも陽性になる場合があります。今年のイギリスの雑誌Clinical Endocrinology (60:49-53,2004) に"Stimulation of TSH receptor antibody production following painless thyroiditis"と言う題名で論文を出しました。寛解期のバセドウ病患者でも、無痛性甲状腺炎が契機となり後に再発することがあるというものです。この論文が、アメリカ甲状腺学会(ATA)の機関誌であるClinical Thyroidology(16:15,2004)に取り上げられました。この雑誌は、世界中の関連する学術誌より興味深い論文をピックアップして、編集者のコメントを添えて会員に紹介しております。専門的な話で恐縮ですが、ATAの機関誌に取り上げられたことは、会員に紹介に値する内容と認められた事だと思います。無痛性甲状腺炎は、その原因も不明な点が多く、今後も研究が続く疾患の一つだと思われます。 |
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コメント
はじめまして!いつもブログ拝見させていただいています。
私は去年の11月にバセドウ病と診断されて、今はメルカゾールとチラーヂンを併用しています。
こちらのブログで色々勉強させていただいています。
花粉症の影響で悪化や再発があるのもはじめて知りました。
ホントにバセドウ病は、なかなかすんなり治ってくれなくて根気がいりますね。
私はバセドウ診断時、TRAb:4.8、TSH:0.01以下、FT4:2.5、FT3:6.5、くらいでした。TRAbの数値が高い方が、ホルモン値も高くなるのかと思っていたんですが、また違うみたいですね。なかなか他の方の数値を見させていただくことがないので、色々見比べてしまいました。
私は、3錠で治療開始して1ヶ月半くらいでホルモン値は基準値に入ったんですが、その後ちょっと下がりすぎて、3ヵ月後くらいからメルカ1錠+チラーヂン1錠で継続しています。併用してからは数値は落ち着いているんですが、治療開始して5ヶ月でTRAbがまだ4.3だったのがちょっとショックでした。5ヶ月で0.5しか下がってないので、何でだろうと考えたんですが分るわけもなく、来週また受診日なので今度はもう少し下がってくれてたらいいなあと思っています。
何だか自分のことばかり長々とスミマセン。
普段話すところがないので、つい長々と書いてしまいました。
お互い早く良くなるといいですね。また、ブログお邪魔させてください☆
投稿: aki | 2011年6月25日 (土) 16時48分
aki さま
コメントいただきましてありがとうございます。
ホルモン値が早期に正常になって良かったですね。TRAbは私もなかなか低下しませんでした。
メルカゾールはホルモンの生産を抑制する薬で、TRAbを下げるものではないため、しかたないですが。
甲状腺薬の減量法につきましては、バセドウ病について(20) 抗甲状腺薬の減量法 をご参照ください。
それから、最近買った「バセドウ病治療ガイドライン2011」によると、最小量(隔日1錠)を維持した期間が長いほど、寛解率が高かったようです。 (隔日1錠を19カ月以上継続した場合には92.3%)
気長に薬を服用しないといけないみたいですね。
それでは、また、お立ち寄りください。
投稿: Diary or Notes | 2011年6月26日 (日) 17時02分