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円高は悪か? - 2007年各国GDPを現在の為替レートに換算してみると日本は10位!

昨年12月25にOECD各国の2007年名目GDPが内閣府より公表され、日本は19位に後退したという報道がありました。 
  → 参考記事 1人あたり名目GDP 日本は19位 - 取り残される日本 と 名目GDPの重要性 -

OECD諸国の一人当たり国内総生産(名目GDP)  内閣府

 

ところで、2007年当時は円安が当たり前の状態でしたが、現在の各国為替レートで比較すると大きく変動すると予想されます。

そこで、まず、2007年から現在まで、どの程度為替が変動したか、2007年1月を基準としてグラフを作ってみました。

2007年1月を1.0としたときの為替変動(対円)
20072009  

 

このグラフは財務省貿易統計 外国為替相場 のデータを参照して作りました。数値は各月の最初の週の値を使用しています。

これを見ると、総ての通貨が昨年の夏以降大きく下落し、円の独歩高となっていることがわかります。

これは円キャリートレードの急速な解消が主な原因と言われています。

さて、ここで戯れにではありますが、この為替変動データを元に2007年の平均レートと2009年1月4日付けレートの比率を求め、これで2007年の各国名目GDPを2009年のレートに換算してみるとどうなるか計算してみました。

2007年OECD各国の一人当たり名目GDPを2009年1月4日のレートで換算した値(ドルベース)
Gdp2007_2009

 

 金融危機が深刻なアイスランドの凋落ぶりが目に付きます。その他では、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、韓国等が下がっています。ユーロ圏では、ユーロがドルに対しては僅かに上昇しているのでやや増加傾向となりました。

見やすいように、6万ドル以下のグラフにすると次のようになります。

Gdp60000_2007_2009

 

 

日本は急上昇しています。
現在の円高の効果はこれだけ強力であることが一目瞭然です。

 

さらに、各国順位をグラフにすると・・・

Gdprank

19位だった日本は、アイスランド、イギリス、イタリア、オーストラリア、カナダ、ドイツ、フランス、ベルギー、スウェーデンの9ヵ国を牛蒡抜きし、なんと10位になります。

もちろん、当時と現在では経済状況は全く異なりますが、日本の極端な低金利政策により円安が長期間維持されていたため、対外的には日本製品を安売りし、海外の資源を高値で買わされていたというのも事実だと思います。
高い輸入品(原油、工業原材料、農産物等)は最終的には国民が負担することになる面が多いのですが、輸出企業が円安を背景に海外で稼いだ利益は企業内部に留保され、なかなか国内全体には行き渡らないという、アンバランスが継続していたと考えられます。

輸出企業は1円円高になると数百億の損失などと報道されますが、裏返すと、これまでの円安で数千億の利益を確保してきたということです。言い換えると、輸出企業は国全体で負担した円安をテコにして利益を上げていたともいえます。

 

 

 

榊原英資インタビュー「1ドル90円でも円高ではない」 DIAMOND Online 2008年03月27日
円安でかさ上げされていた収益ははげるものの、日本企業の競争力が衰えたわけではない。この状況は、日本経済崩壊ではなく、円安バブルの崩壊なのだ。

円高は“悪”か -為替は株価、安いより高い方がいい- NB Online 2007年8月31日 宿輪純一
円安はゼロ金利に代表される低金利の金融緩和政策の効果を下げてしまうこと。マネーフローの視点で考えると、円安は国内資金の流出を意味し、企業が資金調達しにくくなる。
日本の製造業が強い理由は、早くから海外に進出して荒波にもまれていたからだということがよく言われる。だが、今の円安はそれとは逆行し、結果的に安売りであるとともに、企業に対する補助金となってしまっていないか。

円高は悪? フコク生命マンスリーエコノミックレポート2008年3月 国内外経済の動向 財務企画部 宮里 祐二
中小企業の交易条件の改善や国内消費の購買力の向上といった円高のプラスの効果もあり・・・

円高は景気悪化に作用するか ~円高悪玉論を疑う~ 日本総研リサーチ・アイ 2007年11月26日
円高は輸入金額を削減し、資源価格上昇の悪影響を減殺する経路を通じて、わが国経済に対してプラスに作用。

【正論】景気対策に「円高」のススメ 聖学院大学大学院教授・真野輝彦 2008.8.28
円安分は消費者が高い価格負担をしてきたのである。円高のもう一つの利点は、海外に流出している日本の貯蓄を引き戻し、国内投資に誘導する効果である。必要なのは「円安は善、円高は悪」という途上国的思考からの脱却である。

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