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脳はなぜ「心」を作ったのか
 -「私」の謎を解く受動意識仮説 前野隆司 著

脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説 Book 脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説

著者:前野 隆司
販売元:筑摩書房
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1月2日の ITmedia というサイトにGoogle日本の村上憲郎社長のインタビュー記事が掲載されていました。
日本のインターネット企業 変革の旗手たち: 滞留時間の最小化がGoogleの目標

この中で、「Yahoo!は滞留時間を最大化するためのサービスの提供がなされているが、Googleは滞留時間を最小化することを目標としている」「GoogleはYahoo!と競合していると言われるが、実際には全くビジネスモデルが異なる」という分析にも興味を持ちましたが、この他に最近読んだ本として、標題の『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』(前野隆司 著)を推薦されていました。

早速、アマゾンお急ぎ便で取り寄せて読んでみました。

この本の主題は「私」という意識はどこから生まれるのか。何故生まれたのか。について著者の仮説を提示するものです。
要約すると、「私」は「無意識」の集合体から流れ出る情報の川下にあって、その一部を取り上げて感じる錯覚のようなものということです。つまり「私」はピラミッドの頂点にあるのではなく、受動的に発生しているものというところが、これまでとは違う見方のようです。

では、何故「私」という意識ができたか。それは「エピソード記憶」を補強して経験をより強く「記憶」するためだというのです。言い換えると、生命に関わるような重要な経験を「記憶」するため、「意識」や「感情」は存在するということです。

なるほどという感じのする説明ですが、副題に「受動意識仮説」とあるように、これは著者が多くの文献を読み解いて得た一つの仮説であり、実証されたわけではありません。しかし、著者によればこの考えに立てば、心に関する多くの謎を説明できるとしています。

本書の第1章では著者が心について考えるようになるきっかけが書かれており、第4章ではこの考えを宗教論にまで展開していますが、主題については第2章、第3章で説明されており、第2章と第3章を読めば著者が言おうとしていることが分かると思います。
(第4章は読む人によってはしっくりこないかもしれません。)

最後にこの本で紹介されているエピソードを一つ。
ヒトが指を動かそうとするときの脳の活動を調べたところ、動かそうと意図した瞬間よりも0.35秒前から脳は指を動かす準備を始めているとのことです。
つまり、「無意識」が先で「意識」は「無意識」を感じているだけとのことです。
(本書74ページ)

<キーワード>
心の天動説と地動説,一元論と二元論,意識,無意識,脳の中の小びと,川下,エピソード記憶,離人症,クオリア,錯覚,コンピュータ,ロボット,宗教,

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