-年寄りは大丈夫なのか?(三宅久之)- (普通のインフルエンザとは)かなり質は違う。 重要なことは、通常の季節性インフルエンザは高齢者が重症化して、9割以上の死亡が高齢者だ。 しかし、今年出ている新型インフルエンザは高齢者は発病率が非常に低いし、死亡者も非常に少ない。 だから、アメリカあたりでは65歳以上はワクチンとか治療とか、ほとんど相手にしていない。カナダもそうだ。
-それは何の違いなのか?(桂ざこば)- 60歳以上は免疫があると言われているが、実際に見ていくと、30代以上の感染率、発病率は非常に低い。 さらに驚くべきことは、通常全く免疫がないウイルスだと、2回ワクチンを打たないと効果がないが、 今回は1回のワクチン接種ですごい免疫ができる。実際上は。 これは何なんだというと、おそらく、このウイルスに対して免疫的記憶をみんな持っているのではないか。 だから1回でいい。 もう一つ、より直近でメキシコから出された研究報告では、どうも季節性インフルエンザ(のワクチン)を接種していたら感染率が低い。また、死亡者もいない。 そういうデータも最近出ている。 もちろん、これと違うデータを出しているところもあるが、だんだんと判ってきている。 そういったことは、非常にいい部分だ。安心できる部分だ。
-極小数の例だが、基礎疾患のない方が亡くなってしまうことがぽつぽつと出ている。 これはどういったことか?(宮崎哲弥)- いつも難しいポイントを突いてきますね。宮崎さんは。 WHOも一番心配しているのがそれだ。 何も問題ない健康的だった子供、大人が感染して1週間くらいで重症肺炎で死亡するケースがある。 しかし、非常に確率は低い。 確率は低いがそういった例がある。これは何で起きるのか。それが今問題になっている。 それを中心に論じていくと、この新型インフルエンザはすごい大変だという話になる。
-今までの普通のインフルエンザではそういう例は無かったのか?(辛坊治郎)- 極めて無い。 今回のウイルスは肺の奥に感染して、そこで一気に重症肺炎を起こす。 -明らかに違う要素があるのか?(辛坊治郎) 季節性インフルエンザとは違う?(宮崎哲弥)- (違う要素は)ある。まだ、判っていない部分がある。 でも、大多数、99.9%の人にとっては、アメリカで言っているが「寝ていろ」と。 そうすれば治るんだからと。これは事実だ。 しかし、中にはそういう不幸な状況になる人、子供、大人がいる。 -その発生機序、重症化の機序はまだ判っていない?(宮崎哲弥)- 宮崎さんはご存じだと思うが、サイトカインストーム、免疫が過剰に反応して多臓器不全を起こす。 その可能性ももちろんあるし、このウイルスが肺の奥で非常に増殖しやすいという特徴を持っている。 だから、ものすごく咳、くしゃみをしている患者さんからもろに浴びて、(肺の)奥に吸い込んだりすると、そういう可能性もあるのかなと。 いろいろ考えているが、今のところ判らない。
-最初のウイルスの量によって後の(症状の)出方が違う?(辛坊治郎)- いやあ。すみません。判らない。予言しろといっても難しい。
-食べ物や薬に対しても劇症なアレルギーを起こす人がいるので、体質というのがあるのでは?(勝谷誠彦)- アレルギーに対してはある程度分析は可能だが、今回の新型インフルエンザウイルスは、ウイルスの特性が100%は判っていないから、やはりまだ未知の部分だ。 未知の部分があるから、今後警戒しなくてはいけない。
-罹っているかもしれないときにどうすれば良いのか判らない。(安田美沙子)- -罹った場合、どうされるのか(勝谷誠彦)- 考え方として、感染しやすい年齢層は十代前半。 続いて、ハイティーン。 その人達の間では、非常に感染しやすい。 その場合も主に飛沫感染だから、2m離れていたら、まず感染することはない。 学校あたりでも2m以上くっつかないようにすればかなり集団発生は防げると思う。 これはなかなか難しい。 更に、もうちょっと上の方の年齢になると、もっともっと感染しづらい。 だから、集団の中に入ったときに、できればある程度間隔を離して。 発病者、感染者がいても、2m離れていればだいたい大丈夫と海外で言われている。 実際そうだと思う。
-病院に行ったら隔離されるのか?しばらく入院しなくてはいけないのか?(勝谷誠彦)- それはない。
-普通のインフルエンザと同じような対応をしていればいいのか?(田嶋陽子)- 基本的にはそうだが、違う部分も十分留意する必要がある。
-肺炎球菌と一緒に感染すると重症化するのか?(三宅久之)- 昔は、肺炎の原因はほとんど肺炎球菌だった。 今はあまり罹らなくなった。 しかし、インフルエンザに罹った場合、高齢者が肺炎を起こすので一番多いのは肺炎球菌だ。 高齢者の人の場合、肺炎球菌の予防注射だけはしておいた方が良いというお医者さんが増えている。 今年ある種の流行みたいになっている。(辛坊治郎) (肺炎球菌ワクチンが)不足しているみたいだ。
-変異しているのか?株を検査して判ったのか?(江田憲司)- 基本的に、南半球で(流行は)終わった。 全く変異していなかった。 だから、ウイルスが変化して、日本で言うところの『強毒化』するとか、 そういうことはあまり考えなくても良いと考えられるが、そのことを云々する人は もちろんいる。
-札幌でタミフル耐性を獲得したウイルスがヒト-ヒト感染したのではないかと推測されているが?(宮崎哲弥)- 札幌の例はヒトからうつったのではないかと言われている。 これまで(のタミフル耐性新型インフルエンザ)は自分の体内でタミフルを飲んでいるうちに変異したというのが世界の例だった。 札幌の例ではよく判らない。ただ、可能性としてタミフルを飲んでいなくても、体内で増えている間に変異するということもあり得る。 いろんな可能性がある。 ただ、重要なのはその患者さんから周辺にはウイルスは拡大しなかった。 世界で見つかっている耐性ウイルスはみんなそうだ。 周辺には拡大しない。 そういった意味では、あまり心配は要らない。
-2m離れればいいということだが、満員電車で咳をしている人がいたらどうしたらいいのか?(辛坊治郎)- それが一番困る。 基本的には、咳、くしゃみをする方は集団の中に入ってはいけない。
でも、ここにいるおっさんが(咳をしていたら)どうにもならない・・・(辛坊治郎) 勇気を出して、あなた、降りてもらいなさい。(やしきたかじん) (会場爆笑)
-それなら、マスクの効果はあるのでは?(桂ざこば)- そういった方はマスクをすればいいのだが、そういった人に限ってマスクをしないし、 マスクを外して咳をする。(笑)
-防ぎようが無いと言うことか?(辛坊治郎)- そういうときは、基本的には顔を背ける。 一瞬、呼吸するのを止める。
-呼吸を止めるのは効果があるのか?(辛坊治郎)- 吸い込まないということだ。 その後、電車から降りたら、十分顔を洗う、手を洗う。 それでも衣服に付いているが。
解決策は簡単。あなたがマスクをいくつか持っていて配って付けさせればいい。(三宅久之) いきなり殴られたらどうしてくれるんですか。(辛坊治郎)
-ワクチンだって必ず効くとは限らない?製薬会社や厚生労働省の天下り団体に騙されている?(田嶋陽子)- それは違うと思う。ただし、もっとグローバルに見ると、世界的に製薬会社が仕組んでいるのではないかという意見も多い。 日本の製薬会社というのはマイナーだ。 海外の製薬会社はもっともっと大きな企業だから(そういう意見が出るのか。) そういった中で、ワクチンが効くのか、安全性があるのか。いろんな問題が問われていて、そういったワクチンをしないという人も多い。 ただ、WHOもそうだが、米国では大統領をはじめ、みんなが「これは安全で保証できるんだ。 だからみんなワクチンを接種せよ」というキャンペーンを張っている。 やはり国によって違う。 ニューヨークでは、医療関係者にみんな接種を義務付けたはいいが、半数くらいが反発している。 最近のアメリカのアンケート調査でも、ワクチン接種を希望するのは国民の5割だ。 日本も多分5割くらいかなと。 その辺が難しいところで、「これだけ軽症なインフルエンザになぜワクチンをするのか」と言っている人もいれば、「安全性を確かめていないのに大丈夫か」と言っている人もいる。 ただ、(新型インフルエンザワクチンは)従来の季節性インフルエンザワクチンと全く同じ製法で作られているから、安全性は大丈夫だというのが一般的な考え方だ。
-どのような副作用があるのか?(桂ざこば)- -特に外国のものはどの程度か?(江田憲司)- 注射した部位が腫れる、痛い、多少熱が出る。 これはどのようなワクチンでもある。 今回の、海外から入れるものの場合は、やはり神経症状、ギラン・バレー症候群と言って、神経障害を起こすような。 大原麗子さんが罹られた・・・(辛坊治郎) それが一番恐れられているが、それは古い昔のワクチンでは良くあった。 現在はそれは心配ないというのがワクチンの専門家の意見だ。 確率的に100万人に1人くらいギラン・バレー症候群が出る可能性がある。 全身の神経が一瞬麻痺して、普通はそのまま回復するが、 何人か後遺症が残って体の動きが悪くなるケースがあるという・・・(辛坊治郎) そう。
-先生の本を読むと「手洗い」は大事だが「うがい」はあまり意味はないと?(筆坂秀世)- うがいに関しては医学的に感染症予防効果に関して云々されることがない。 理屈を考えると、うがいをしても口の中だけだ。 たぶん、ウイルスはもっと奥に入っている。 口の中を綺麗にするという衛生道徳的には意味がある。
-うがいは(喉を指して)ここまでは行っていない。(やしきたかじん)- そこまで行ったら咳が出る。 口腔内のウイルスがもし感染することがあると仮定しても、 実際、ウイルスが細胞にくっついて入ってくるまでに10分から15分。 だから、1日3回うがいをするというのは、衛生観念としてはいいのだろうが・・・ ずーっと、うがいをして歩いていたらいい。(勝谷誠彦)
-これから一番気を付けなくてはいけないことは?一番起こりそうなシナリオは?(辛坊治郎)- 大学が10月に入って始まると思う。 米国の例では、大学生の間でものすごく広がっている。 多分、米国ではもう少ししたらピークに達して落ちてくると思う。 日本も今、学童の間で広がっている、更に大学生の間で広がる、だから10月下旬、11月上旬にピークが来てそれから落ちていくと思う。 問題はその後に、香港型ウイルスの変異株、これが結構いるが、1月、2月の寒いときに流行してくるとこれは高齢者に危険だ。 それは通常型ですね。(勝谷誠彦) だから、インフルエンザワクチンは季節性型と新型の両方をする必要がある。
(以上)
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